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(備忘録)⑪高次元の形状と物理法則

備忘録
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(備忘録)⑪高次元の形状と物理法則

※これは、とあるDiscord内の勉強会で議論した内容の備忘録です。話の理解がまだ曖昧だったり、結論が出ていない部分も多々あるかと思いますが、ご容赦ください。

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高次元の「形」と宇宙の物理法則

前回は、超弦理論が予言する高次元空間が、「コンパクト化」という形で私たちの周りに小さく丸まっている、という話を書きました。この「コンパクト化」という概念が、超弦理論の鍵を握っているのは分かったのですが、実は、その高次元の「形」が、私たちの宇宙の物理法則を決定しているらしい、という驚くべき話を聞きました。

一体どういうことなのでしょうか?

超弦理論では、素粒子が持つ様々な性質(質量や電荷など)は、高次元空間に存在する「ひも(弦)」の振動パターンによって決まる。

という考え方をします。そして、この「ひも」の振動パターンは、そのひもが動き回る空間、つまりコンパクト化された高次元の「形」によって決まってしまう、というのです。これは、まるで楽器の弦が、その楽器の形状や材質によって、出せる音(振動パターン)が決まるようなものです。

「カラビ・ヤウ多様体」という高次元の形

では、この高次元の「形」は、具体的にどうなっているのでしょうか?

超弦理論において、このコンパクト化された空間は、「カラビ・ヤウ多様体」と呼ばれる特殊な数学的構造を持っている必要がある、という話を聞きました。このカラビ・ヤウ多様体は、非常に複雑な幾何学的構造をしており、私たちの3次元空間では想像もつかないような形をしているそうです。

(筆者も相対論や電磁気学を学ぶ際に多様体を学んだことがある程度で、このあたりあんまりよく分かっていません……)

このカラビ・ヤウ多様体の形状がどうなっているかで、ひもの振動パターンが変わり、ひいては素粒子の種類や質量、相互作用の仕方も変わってしまう。

つまり、私たちが知っている素粒子の種類や、電磁気力、強い力、弱い力といった物理法則は、このカラビ・ヤウ多様体の「特定の形状」から生まれている、というのです。もし、宇宙が別の形状のカラビ・ヤウ多様体を持っていたら、全く別の物理法則を持つ宇宙になっていたかもしれません。

宇宙の物理法則は「偶然」なのか?

この話を聞いて、私はとても不思議な気持ちになりました。私たちが当たり前だと思っている物理法則や、素粒子の性質は、もしかしたら宇宙がたまたま持っている高次元の「形」によって決まっている、ある種の「偶然」なのではないか、と感じたからです。(同時に以前から聞き齧っていたマルチバースの話を思い出しました)

もし超弦理論が正しいとすれば、宇宙の始まりであるビッグバンの瞬間に、高次元がどのようにコンパクト化されたのか、という問題が非常に重要になってきます。そのコンパクト化のプロセスが、宇宙のすべての物理法則を決定づけたのかもしれません。

まとめと今後の課題

今回の勉強会で、超弦理論における高次元の「形」が、私たちの宇宙の物理法則を決定しているかもしれない、という非常に興味深い話を知ることができました。そして、その形はカラビ・ヤウ多様体と呼ばれる数学的な構造を持っている必要がある、ということも分かりました。

しかし、カラビ・ヤウ多様体には、10万通り以上もの膨大な種類が存在すると言われています。なぜ、私たちの宇宙がその中のたった一つの形を選んだのか、という疑問は、まだ解決されていません。

次回は、この「膨大な選択肢の中から、なぜ私たちの宇宙が選ばれたのか?」というテーマで、さらに議論を深めていきたいと考えています。これは、もしかしたら、このシリーズ全体の核心に迫る問いかもしれません。

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