(備忘録)⑦宇宙の未来とダークエネルギー
※これは、とあるDiscord内の勉強会で議論した内容の備忘録です。話の理解がまだ曖昧だったり、結論が出ていない部分も多々あるかと思いますが、ご容赦ください。
宇宙膨張の加速とダークエネルギー
この前も書いたかもですが、前回は時間の一方向性が、ビッグバンという宇宙の始まりから、最終的な熱的死に向かってエントロピーが増大していく過程だと考えられる、という話をしました。しかし、この宇宙の未来を考える上で、どうしても無視できないのが宇宙の膨張です。
議論の中で、宇宙がただ膨張しているだけでなく、加速して膨張しているという衝撃的な事実が、1990年代後半に発見されたという話が出ました。この加速膨張を引き起こしていると考えられているのが、ダークエネルギーという謎のエネルギーです。
このダークエネルギーの正体は、現在のところ全く分かっていません。
ただ、宇宙の全エネルギーの約70%を占めていると言われていて、その負の圧力が宇宙を外側へ押し広げる力として働いている、という情報を見ました。このダークエネルギーがあるからこそ、宇宙は重力による収縮に打ち勝って、膨張を続けているようです。
もしダークエネルギーがなければ、宇宙は重力によっていずれ収縮に転じ、「ビッグクランチ」と呼ばれる形で終わる可能性もありました。でも、加速膨張が続いている現状では、そのシナリオは考えにくいようです。
宇宙の未来は「ビッグフリーズ」か「ビッグリップ」か?
では、このダークエネルギーによる加速膨張が続いた場合、宇宙はどうなるのでしょうか? 勉強会の先輩方の話では、主に二つの終焉シナリオが考えられるそうです。
1. ビッグフリーズ (Big Freeze)
このシナリオでは、宇宙の膨張が永久に続き、銀河同士が互いに遠ざかっていきます。やがて、星が生まれるためのガスがなくなり、最後の星が燃え尽きた後、宇宙は「熱的死」に到達します。エントロピーが増大し、温度が絶対零度近くまで下がり、活動が完全に停止してしまう状態です。
これは、私たちが前回考えた、エントロピー増大の最終形態と言えるかもしれません。
2. ビッグリップ (Big Rip)
このシナリオは、ダークエネルギーの力が時間とともに強くなっていく、という前提に基づいています。この力が最終的に、銀河、星、惑星、そして原子そのものまで引き裂いてしまう、という終焉です。宇宙の膨張が加速しすぎて、あらゆるものがバラバラになってしまう、という恐ろしい結末です。
どちらのシナリオも、宇宙の終焉を示唆していますが、その原因がダークエネルギーという未知の存在にある、という点が非常に興味深いです。私たちの時間の流れや、エントロピーの増大も、このダークエネルギーによって根本的に規定されているのかもしれません。
まとめと今後の課題
今回の勉強会で、宇宙の未来が、ダークエネルギーという謎の力によって加速膨張していること、そしてその結果として「ビッグフリーズ」や「ビッグリップ」といった終焉を迎える可能性があることを知りました。これは、時間の流れが単にエントロピーの増大だけでなく、宇宙全体のダイナミクスに深く関わっていることを示しています。
しかし、この話にはまだ続きがあるんですよね。ダークエネルギーと同じくらい謎に包まれているのが、ダークマターという存在です。宇宙の質量の大部分を占めているにもかかわらず、光を発しないため、直接観測することができません。
次回は、このダークマターの正体と、それが宇宙の構造形成にどう関わっているのか、というテーマで議論を深めていきたいと考えています。
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