(備忘録)⑬続・時間とは何か?すべての始まりを巡る旅の終わりに
※これは、とあるDiscord内の勉強会で議論した内容の備忘録です。話の理解がまだ曖昧だったり、結論が出ていない部分も多々あるかと思いますが、ご容赦ください。
すべての始まり、そして「時間」
これまで、時間という問いから始まり、相対論、量子論、重力、ダークエネルギー、ダークマターといった壮大なテーマを巡ってきました。そして、超弦理論という、たった一つの「ひも」からすべての物理法則が生まれるかもしれない、という希望に満ちた理論にも触れてきました。この旅の終わりに、もう一度最初の問いに立ち返ってみたいと思います。
「時間とは何か?」
超弦理論とマルチバースの視点から見ると、時間の本質は「宇宙の物理法則を規定する高次元の形状」と深く結びついているのかもしれない。
私たちが体験する時間の一方向性は、宇宙の始まりであるビッグバン直後の、高次元が特定の形状にコンパクト化される「対称性の破れ」に起因する、という見方もできるのかもしれません。そして、その高次元の形が、宇宙のすべての物理法則を決定づけていると考えると、私たちの時間の流れもまた、その「形」によって規定されているのかもしれません。
宇宙の物理法則は「偶然」なのか?
超弦理論は、「ランドスケープ(風景)」という概念を導入し、膨大な数の宇宙が存在する可能性、つまり「マルチバース」を示唆しています。この考え方では、私たちの宇宙の物理法則は、そのランドスケープの中の、たまたま選ばれた「谷」にすぎない、ということになります。
宇宙の物理法則は、神が定めた唯一無二のものではなく、無数に存在する可能性の中から、偶然に選ばれたものかもしれない。
もしこの考え方が正しいとすれば、私たちの宇宙の物理法則が「私たち人間が誕生するのに都合が良い」値になっているように見えるのは、単にそのような宇宙に私たちが存在しているからだ、という「人間原理」的な説明も可能になります。これは、私たちに与えられた「時間」というものが、無数にある宇宙の可能性の一つでしかない、ということを意味しているのかもしれません。
時間を巡る旅の終わりに
この勉強会を通じて、私たちは「時間」という問いから、宇宙の始まりと終わりに至るまで、様々な物理学の概念を巡ってきました。そして、最終的に辿り着いたのは、「時間」が宇宙の根源的な構造と深く結びついているという、壮大で、しかし未だ謎に満ちた結論でした。
この旅は、私の「時間」という概念を大きく揺さぶり、再構築するきっかけを与えてくれました。
原子から始まり、素粒子、そして「ひも」というたった一つの存在へと視点が移り、最終的に無数の宇宙の可能性へと繋がっていく。この物語は、私たちの宇宙が、いかに不思議で、しかし論理的であるかを教えてくれました。
このシリーズは、この壮大な物語のほんの入り口に過ぎません。しかし、この旅を通じて、物理学が探求している「時間」という問いの深さを少しでも感じることができたなら、とても嬉しく思います。
今回はブルーバックス等の新書などを読んで、大学院の学生様や卒業生の方からご懇意に色々教えていただきましたが、数式の部分はあまり追えていません……。いつか数式などもしっかり追える日が来ることを願っています。ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました!
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