(特別編④)宇宙の始まりと時間のひみつ
みなさん、こんにちは!
前回は、エントロピーが増える方向が、わたしたちが感じる「時間の流れ」の向きと関係している、というお話をしましたね。コップが割れたり、インクが広がったりするように、放っておくとバラバラな状態になるのが自然なんだ、というお話でした。
今日は、このエントロピーの考え方を使って、もっともっと大きな「宇宙全体の時間の流れ」について考えてみたいと思います!
宇宙の始まり「ビッグバン」は、とっても「キレイな」状態だった?
科学者たちは、宇宙が約138億年前に「ビッグバン」という大爆発のような出来事で始まったと考えています。このビッグバンの直後の宇宙は、とても小さく、ぎゅっとつまった、熱くて、すごく「キレイな状態」だったそうです。
これはつまり、宇宙が始まったばかりのころは、エントロピーがとても低かった、ということになります。
エントロピーが低い状態とは、お部屋がぴかぴかに片付いている状態でしたね。まだ何も散らかっていない、とても特別な状態だったのです。
宇宙は時間とともに広がり続けている
ビッグバン以降、宇宙は広がり続け、たくさんの星や銀河が生まれました。星が生まれ、そして寿命を終えて散らばっていくように、宇宙のものはどんどんバラバラになっていっています。
これは、お部屋が自然に散らかっていくのと同じように、宇宙全体のエントロピーが増えていくということになります。
宇宙が時間とともに「散らばっていく(エントロピーが増えていく)」ことこそが、私たちが感じる「時間」の流れそのものなのではないか。
物理学の世界では、このような考え方もされているそうです。時間の始まりは、宇宙全体が最もキレイに片付いていた「ビッグバン」の瞬間であり、そこから宇宙が広がり、エントロピーが増え続けることが、私たちが未来へと進む「時間」になっている、と考えるのです。
おわりに:まだ解けていないひみつ
今回は、宇宙の始まりから「時間の流れ」を考えてみました。部屋のお片付けやサイコロのゲームという小さなことから、宇宙全体の大きな話につながるなんて、なんだかワクワクしますね!
しかし、この話にはまだ解けていないひみつがたくさんあります。たとえば、どうしてビッグバンの始まりは、そんなにエントロピーが低い「特別な状態」だったのでしょうか?
このふしぎな疑問に答えることが、「時間とは何か?」という究極の問いに答えることにつながるのかもしれません。この特別編シリーズは、これでおしまいにしたいと思います。
みなさんと一緒に「時間」について考えることができて、とても楽しかったです。ありがとうございました!
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