(特別編②)どうしてバラバラになるのが自然なの?
みなさん、こんにちは!
前回は、お部屋が自然に散らかってしまったり、水にたらしたインクが広がっていくことが、エントロピーという「自然な状態」につながっている、というお話をしましたね。
でも、どうして「バラバラな状態」が自然なのでしょうか?
今回は、サイコロのゲームを想像しながら、そのふしぎを一緒に考えてみましょう!
サイコロゲームで考えてみよう!
ここに、2つのサイコロがあります。1つは赤色、もう1つは青色だとします。この2つを同時に振ってみましょう。
(※以下の画像は生成AIを使用しています)
出た目の組み合わせは、全部で何通りあると思いますか?
ぜんぶで36通りあります!
(赤のサイコロが1〜6、青のサイコロも1〜6なので、6×6=36通りですね)
では、この36通りの中で、「出た目の合計が12になる組み合わせ」と、「出た目の合計が7になる組み合わせ」は、それぞれ何通りあるでしょうか?
数えてみましょう!
- 合計が12になる組み合わせ: (赤6, 青6) の1通りだけ!
- 合計が7になる組み合わせ: (赤1, 青6)、(赤2, 青5)、(赤3, 青4)、(赤4, 青3)、(赤5, 青2)、(赤6, 青1) の6通りもある!
どうですか? 合計が7になる組み合わせの方が、圧倒的に多いですよね!
「エントロピー」は「組み合わせ」の数だった!
このサイコロのゲームから、大切なことがわかります。
組み合わせがたくさんある状態の方が、起こりやすい(確率が高い)ということ。
つまり、合計が12になるような「特別でキレイな状態」よりも、合計が7になるような「いろいろなパターンがあるバラバラな状態」の方が、サイコロを振った時に出やすいのです。
この「組み合わせの数」こそが、エントロピーの正体だったんですね!
💡まとめると…
エントロピーは、「ある状態になるための組み合わせの数」のこと。
- 組み合わせがたくさんある → エントロピーが高い→ バラバラで自然な状態
- 組み合わせが少ない → エントロピーが低い→ きれいで特別な状態
お部屋のお片付けも同じです。おもちゃをきれいにしまう方法は少ないけど、おもちゃが散らばっている方法はたくさんあるから、自然と散らばっていく、というわけですね。
ここから先のふしぎ
今回は、エントロピーが高い状態(バラバラな状態)がどうして自然なのか、その理由を確率という考え方から説明してみました。
さて、このエントロピーが、どうして「時間の流れ」と関係しているのでしょうか?そして、私たちは、どうして未来に向かってしか進めないのでしょうか?
次回は、この「エントロピーと時間の流れ」について、もっと深く考えてみましょう!
コメント