(特別編①)小学生と考える「時間」のふしぎ
みなさん、こんにちは!
今回は、いつもと少し違って、みなさんと一緒に「時間」のふしぎについて考えてみたいと思います。私たちが毎日感じている「時間」って、一体なんでしょうか? どうして時間は、未来に向かって進むのでしょうか?
難しい言葉は使わずに、身の回りにある色々なものを使って考えてみましょう!
どうして部屋はすぐに散らかってしまうのでしょうか?
おうちの人から「お部屋を片付けなさい!」って言われたことはないでしょうか?
お部屋をきれいに片付けるのは、すごく時間がかかって大変ですよね。でも、おもちゃを出したり、本を読んだりしているうちに、気づいたらあっという間に部屋は散らかってしまいます。
どうしてでしょう?
散らかっている方が、実は「自然な状態」だからです。
きれいに片付いている状態は、すごく特別で、めずらしい状態なんですね。だから、片付けるには、わたしたちの「がんばり」が必要になるのです。
“片付いている状態”というのは、ある意味で「人間が決めた住所に押し込めている不自然な状態」と考えると分かりやすいかもしれません
「時間の流れ」と「広がり」のふしぎ
もうひとつ、こんな実験を想像してみてください。
きれいな水が入った水槽に、インクをポトンと一滴たらしてみましょう。インクはどうなるでしょうか?
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インクは、水のなかでどんどん広がっていきますよね。
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そして、最後には水槽全体がうすいインクの色になります。
この広がりきったインクは、もう二度と自然に一滴のインクには戻りませんよね?
ほかにも、バケツに入ったたくさんのボールを地面にジャーっと流してみたらどうなるでしょうか?
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ボールは地面に散らばって、もう一度自然にバケツの中に戻ることは考えにくいです。
お片付けも、インクも、ボールも、ぜんぶ「時間が未来に進む向き」と同じように、「広がったり、散らばったりする」ことが自然なことなのです。物理学の世界では、この「自然と散らばっていく方向」のことを、「エントロピー(Entropy)」と呼ぶんですよ。
なんだか、「時間の流れ」と「エントロピー」は、すごく仲良しな関係にあるみたいですね!
ここから先のふしぎ
「エントロピー」という言葉を難しく感じたかもしれませんが、部屋が散らかったり、インクが広がったりするのと同じなんだ、と思ってもらえたら嬉しいです。
この「特別編」では、このエントロピーと時間の関係を、もっともっとじっくり考えていきたいと思っています。
次回は、サイコロのゲームをしながら、この「自然な状態(エントロピーが高い状態)」がどうして起こるのか、ということを考えてみましょう!
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