数学Ⅱで学ぶ対数を振り返ろう(自身への備忘録)
まず、対数とは何でしょう?
簡単に言うと、対数とは「ある数を何乗したら、別の数になるか?」という「指数」を求めるための計算です。
$log$の記号について
対数の計算をする際に新たに出てくる$log$(ログと読みます)の記号
底(てい)が$a$,真数(しんすう)が$b$とする対数は以下のように記述できます。
$a$は$a>0$、$a≠1$を満たす実数、$b$を正の実数とすれば $x=log_{a}b$ ($x$イコールログ$a$$b$ と読みます)
こちらを意味訳をしてみると、
「底$a$を$x$乗した数が、真数$b$になる」となります。
”乗”とは同じ数(文字)を何回かけあわせたか表すものです。
2乗なら2回、3乗なら3回、、、$x$乗なら$x$回かけているということになりますね。
(”乗”を更に言いかえた上の表現は、「底$a$を$x$回掛け合わせた数は、真数$b$になる」といえます)
なので例えば、
$x=log_{2}4$となる$x$を求める場合は、読み替えて
「底2を何乗すれば、真数4になる?(2を何回掛け合わせたら4になる?)」となります。
2は2回掛ける(つまり2乗)すれば、4になるので、$log_{2}4=2$です。
他にも、$log₃9$なら2です。(⇒3を2回掛けると9)、$log₂16$なら4(⇒2を4回掛けると16)になるわけですね。
指数と対数の関係は、表裏一体です。この関係性を理解することが、対数マスターへの第一歩です。
指数:23 = 8
(2を3乗すると8になる)
⇄
対数:log₂(8) = 3
(底の2を何乗すると8になるか? → 3乗)
真数を「底の何乗か」書き換えるとより分かりやすいです。
$log_{2}4$=$log_{2}$$2^{2}$ , $log_{3}9$=$log_{3}$$3^{2}$ , $log_{2}16$=$log_{2}2^{4}$このように書き換えると「何乗か?」の部分が浮き彫りになりますよね!
ここから
$x=log_{a}b$
底と真数が等しい場合、つまりa=bの場合は1となります。
($log_{2}2$だとすれば「2を何乗したら2になりますか?」と聞かれれば1乗と答えますよね)
ここで重要なルールがあります。真数(この例では「8」)は、必ず正の実数でなければなりません。
なぜなら、2を何乗しても、答えがマイナスになることはないからです。対数で扱う真数に負の数や0は登場しません。

例題
対数の計算に慣れるために、以下の問題を解いてみましょう。
問1:log₂(4) = ?
解答
答えは 2 です。なぜなら、底の2を2乗すると4になるからです。
問2:log₃(9) = ?
解答
答えは 2 です。なぜなら、底の3を2乗すると9になるからです。
問3:log₂(16) = ?
解答
答えは 4 です。なぜなら、底の2を4乗すると16になるからです。
問4:log₂(1/8) = ?
解答
答えは -3 です。なぜなら、底の2を-3乗すると1/8になるからです。
【例題の補足】
より複雑な計算問題も、指数のルールを思い出せば解くことができます。ここでは、分数やマイナスの指数を含む計算の考え方について補足します。
◆ log₂(1/2) = -1 の考え方
真数 1/2
は、2を-1乗したものです。
1/2 = 2⁻¹
つまり、「底の2を何乗すると 2⁻¹
になるか?」という問いになるので、答えは -1 です。
◆ log₂(1/√2) = -1/2 の考え方
こちらも同様に、真数 1/√2
を指数の形に直します。
- 平方根のルール:
√2
は2¹/²
と表せます。 - 分数のルール:
1/2¹/²
は2⁻¹/²
と表せます。
これで「底の2を何乗すると 2⁻¹/²
になるか?」という問いになるので、答えは -1/2 です。
(1)「3を何乗すれば$\frac{1}{9}$になるか」を考えます.
分数の場合はマイナス乗を使用するので、
$\frac{1}{9}=\frac{1}{3^{2}}=3^{-2}$と書くことが出来ます.
(つまり3をマイナス2乗したら$\frac{1}{9}$!)
したがって$log_{3}\frac{1}{9}=-2$です
(2)「3を何乗すれば1になるか」を考えます.
ここで0乗の定義を確認しましょう.
「すべての底で$log_{a}1=0$」
これは決まり事ですから、例えば2の0乗は1ですし、10の0乗もまた1となります。
log₂(1) = 0 になるのはなぜ?
これは、指数の基本的なルールに戻って考えると簡単に理解できます。
「どんな数も0乗すると1になる」というルールを覚えていますか?
つまり、2⁰ = 1、10⁰ = 1、100⁰ = 1、という関係が成り立ちます。
このルールを対数に変換すると、「底を0乗すれば1になる」ということになり、log₂(1) = 0 が成り立つわけです。
したがって真数が1になる場合はの答えは0になります.
$log_{3}1=0$
(3)「10を何乗すれば1000になるか」を考えます。
1000は10を3回掛けた数です。(10×10×10=1000)
したがって$log_{10}1000=3$です.
(4)「$\frac{1}{2}$を何乗すれば8になるか」を考えます。
分数の場合はマイナス乗を使用するので、
$\frac{1}{2}=2^{-1}$と書くことが出来ます。
また8は2を3回掛けた数なので、8=$2^{3}$です
改めて、「$2^{-1}$は何乗すれば$2^{3}$になるか」を考えます.
底にマイナスがついているため、マイナスをかけて3乗すると$2^{3}$となります。
したがって$log_{\frac{1}{2}}8=-3$です
分数やマイナス乗の対数計算
対数の計算では、分数やルート(平方根)も頻繁に登場します。これらも指数のルールを思い出せば難しくありません。
例: log₂ (1/2) の計算
- ステップ1:真数を指数に直す
まず、真数「1/2」を「2の何乗か」という形に直します。分数はマイナスの指数で表すというルールがあります。
1/2 = 2⁻¹ - ステップ2:対数の値を求める
これで、計算式は log₂(2⁻¹) となりました。「底の2を何乗すれば2⁻¹になるか?」と考えれば、答えは「-1」です。
この計算は、対数の公式 logₐ(Mᵖ) = p logₐ(M)
を使うことでも解けます。つまり、log₂(2⁻¹) は -1 × log₂(2) となり、log₂(2) は1なので、答えは-1となります。
練習問題で理解度をチェック!
以下の対数の値を計算してみましょう。
- log₃(9) = ?
- log₅(25) = ?
- log₂ (1/√2) = ?
- log₄(16) = ?
解答はこちら
1. log₃(9) = 2
(3を2乗すると9になるから)
2. log₅(25) = 2
(5を2乗すると25になるから)
3. log₂ (1/√2) = -1/2
(真数の1/√2は、1/(2¹/²) = 2⁻¹/² なので、答えは-1/2)
4. log₄(16) = 2
(4を2乗すると16になるから)

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